『みど*リンク』アクション

2015年11月18日
『みど*リンク』セミナーレポート

2015年10月24日、二子玉川ライズ・オフィス棟の「カタリストBA」において、『みど*リンク』セミナーが開催されました。

当日は、渋谷で花を育てるボランティア団体「渋谷Flowerプロジェクト2014年度支援グループ。以下、シブハナ)」の代表として、講演やラジオ出演など多方面で活躍する小島 盛利(こじま もりかず)氏に、「いつでもキレイ!自然を感じる花壇づくりのポイント~宿根草とグリーンを活かした季節感のある花壇~」をテーマにご講演いただきました。

講演終了後には、参加者全員で二子玉川小学校西側の花壇に移動し、実際に花植えを体験していただきました。

【開催日時】2015年10月24日(土) 10:00~12:00
【会  場】セミナー:二子玉川ライズ オフィス棟8階「カタリストBA」
植栽体験: 二子玉川小学校西側花壇

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■開会 主催者挨拶
東急電鉄 都市創造本部 開発事業部 事業計画部 東浦統括部長による挨拶で、
『みど*リンク』セミナーが開会しました。
ご挨拶 圧縮

 

■『みど*リンク』アクションとは。
東急電鉄 都市創造本部 開発事業部 事業計画部 白鳥課長より、
『みど*リンク』アクションについてご説明。
『みど*リンク』アクションとは。

『みど*リンク』アクションとは、東急沿線の全域からご応募いただいた、地域の緑化活動に関する企画の中から、特にすぐれた企画に東急電鉄がご支援させていただくというプログラムです。

『みど*リンク』アクションをとおして、コミュニティ活動の活性化、まちづくり活動への波及、沿線がみどり豊かになること、環境負荷の軽減、生物多様性の保全、さらに皆さまの地域に対する愛着の醸成を目指しています。また、私たちは『住みたい街・住み続けたい街・東急線沿線』を掲げ日々尽力していますが、こういう緑化活動をきっかけに素晴らしい沿線になっていけばいいなという思いも込め、活動しております。

2012年度から2015年度までで、すでに42グループの支援をさせていただきました。環境保全、生物多様性から公園や街中の緑化まで幅広い取り組みに対して支援を行っています。

現在、2016年度の支援団体を募集しておりますので、ぜひ皆さまふるってご応募いただければと思います。素敵な企画をお待ちしております。

 

■渋谷Flower Project代表 小島 盛利氏による講演
テーマ「いつでもキレイ!自然を感じる花壇づくりのポイント ~宿根草とグリーンを活かした季節感のある花壇~」
小島 盛利氏による講演

花壇をいつもキレイな状態に保つ方法として一番簡単なのは、こまめに植え替えをすることです。でも実際にこれができるかというと、難しい。お金もかかるし、植え替えた植物の世話をする労力もかかります。ではどうすればいいのか。ひとつのヒントとして私が提案したいのが、「宿根草(しゅっこんそう)の活用」です。

一般に花屋さんで、ポット鉢で売られている植物の多くは、一度花を咲かせると種をつけて枯れてしまう一年草です。一方、宿根草(多年草)は、一度植えれば、根を深く伸ばし、何年もそこで生き続けます。この宿根草を花壇に取り入れることで、植え替えの面積や、苗を買うコストが減ります。また植え替えの回数が減りますから、作業量も減ります。つまり、手間やお金をかけずに、長くキレイな花壇を保てるようになるというわけです。

実際、シブハナでは、2004年頃には一年草だけで花壇を構成していましたから、モヤイ像花壇を植え替える際には、300株から400株の苗が必要でした。それから11年経ち、今の我々の花壇では宿根草を多く用いることで、植え替えの際には30株から40株ですむようになりました。

一年草と宿根草を組み合わせて自然を感じられる花壇を作ることには、コストと手間を削減するだけでなく、花壇の生物多様性を高めて、病気や害虫が一気に蔓延することを防ぐという効果もあります。シブハナの花壇では農薬を使用せずにお花を育てています。

むかしから農業の世界で言われている言葉に「適地適作」というものがあります。実は花壇づくりも、これを忠実に守っていくことが重要です。日陰には日陰の、日向には日向の、東京には東京の、その場所に合った植物を植えることが大事です。きちんとその場に合うものを植えると、植物は本来の美しさを発揮します。そうすると、こちらが一生懸命世話をしなくてもキレイに育ってくれます。一つの例としてシブハナの花壇は、ほとんど肥料を使用していません。

「適地適作」を行うために、皆さまに興味を持っていただきたいこと、それは植えようとしている植物の原産地の環境です。その植物がもともとどんな環境に生えていたのかを知れば、どのような場所に植えれば元気に育ってくれるかが自ずとわかってきます。そして、植えたあとはよく観察してください。いろんな花を植えていくと、元気に生き残る植物があります。それを見極めていただければと思います。

ぜひ皆さまも、いつもキレイで自然を感じられる花壇をつくってください。ありがとうございました。(以上、要約)

■記念撮影
記念撮影

 

■栽培体験<場所:二子玉川小学校西側花壇>
二子玉川小学校の西側花壇に移動。小島さんのレクチャーを受けながら、実際に花植えを体験しました。

①まずは腐葉土を土に混ぜる方法を教わります。意識したいのは「天地返し」。
下の土を上に、上の土を下に、空気を含ませながらまんべんなく混ぜます
①

②レクチャーが終わるといよいよ花植え開始。ポットから苗を出し、
根をほぐしたら、土に穴を掘って植えていきます。
②

③テーマは「自然を感じられる花壇」。同じ種類の植物が横一列に並ばないよう、
配置を工夫します。
③

④土をかぶせるときは、周りから土を集めて、根の近くをぐっと押します。
花壇の土の高さと、苗周りの土の高さをそろえるのがポイント!
④

⑤どんどん花植え作業が進んでいきます。参加された皆さんからも笑みがこぼれはじめました!
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⑥「シブハナ」のメンバーも駆けつけお手伝いしてくれました。
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⑦花植えの仕上げに、腐葉土で土の表面を覆う「マルチング」作業を行います。
乾燥防止、雑草抑制、養分補給の効果があるほか、花壇の見た目をキレイにしてくれます
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⑧皆さんの頑張りもあって、お花だけでなく、みどりもたくさんある美しい花壇が完成しました。
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■閉会
ご参加いただきまして、誠にありがとうございました。

【参加者の感想】
セミナー終了後に、参加した皆さんに感想をお聞きすると、「私たちの花壇では花ばかり植えているので、花の時期が終わるととても寂しい思いをしていました。その解決策として、今日聞いた『宿根草を混ぜる』というアイデアは活用できるなと思いました」といった方や、「土地に合ったものを植えることが大事という話が印象に残りました。自分たちの活動にもぜひ参考にさせていただこうと思います」など、セミナーの内容を積極的に自分たちの活動に取り込もうという方がたくさんいらっしゃいました。

また、2016年度の支援団体募集に関しても、「帰ってスタッフたちと、企画内容を練り直そうと思いました」など、前向きなご感想をいただきました。
皆さまからの、たくさんのご応募をお待ちしております。