『みど*リンク』アクション

『みど*リンク』カンファレンスとは

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第5回『みど*リンク』カンファレンス レポート[2017]

2017年4月15日、二子玉川ライズ・オフィスの会議スペース「カタリストBA」において、第5回『みど*リンク』カンファレンスが開催されました。

2016年度支援グループによる活動報告のあと、2014年度の支援グループ「慶應義塾大学・日吉丸の会」の代表・小宮繁氏より、「現在の日吉丸の会 運営活動について」をテーマにご講演いただきました。同グループは、2014年度に、横浜市より横浜環境活動賞・市民の部「大賞」および「生物多様性特別賞」を、さらに2016年度には環境省より「地域環境保全功労者賞」を受賞しています。

講演後は、2017年度支援グループの代表者による活動紹介があり、続いて、2016年度『みど*リンク』アワードを発表。今回選ばれたのは、二子玉川駅周辺でホップの育成を行う「世田谷ホッププロジェクト」の皆さんでした。カンファレンス終了後には、懇親会も開催。支援グループ同士が交流を深める意義深いイベントとなりました。

【開催日時】 2017年4月15日(土) 14:00~18:00
【会場】 二子玉川ライズ オフィス8F カタリストBA

タイムスケジュール

14:00

開会 主催者挨拶

東急電鉄 都市創造本部 開発事業部 事業計画部 清野統括部長の挨拶で、第5回『みど*リンク』カンファレンスが開会となりました。


開会の挨拶

14:05

2016年度グループ活動報告

2016年度に支援を受けた9グループが、1グループ5分ずつ活動内容を報告。発表後、各グループの代表者が最も優れた活動だと思われるグループに投票し、『みど*リンク』アワードを決定します。

渋谷みつばちプロジェクト

渋谷のビル屋上でみつばちを飼育し、花とみつばちを通したコミュニティづくりを実施。代官山や渋谷などで花の植樹を行ったほか、代表がDJを務めるコミュニティラジオ「渋谷のラジオ」を通し、活動を広く伝えました。

自由が丘サンセットエリア地区

自由が丘駅北側にあるサンセットエリア地区において、再生コルクを使った環境負荷軽減につながるベンチを設置。ベンチの設置イベントなどで広く周知することにより、環境保護やリサイクルの大切さについての啓蒙活動を行いました。

世田谷区立駒留中学校グリーンレンジャー

ボランティア意識の大切さを学ぶ生徒の緑化推進組織「駒留中グリーンレンジャー」の活動として、学校前の緑道に新たな花壇を設置。地域の人の憩いの場ができたことで、緑を通じたコミュニティの輪が広がりました。

せたがやホッププロジェクト

ホップの育成を通して、新しい人の輪が広がる場づくりを行う取り組み。ホップの苗(3種類、約400株)の無償配布のほか、多摩川の河川敷などでの地域の人たちとの畑作りを実施。街の人から回収したホップは二子玉川の地ビール造りの際、原料として使われました。

荏子田に花を増やす会

花が少なかった荏子田公園に新たな花壇をつくり、水仙を植えて公園のシンボルにする取り組み。周辺の緑化グループとの連携が深まったほか、荏子田小学校の生徒とも連携が実現するなど、地域コミュニティの輪が広がりました。

矢上川源流美しの森管理会

谷戸の自然を残し、矢上川の源流における生きもののにぎわいを配慮してつくられた美しの森公園。その自然のお世話や環境学習を行う活動。地域の子どもたちが多数参加したことで、次世代のまちづくりの担い手育成にもつながりました。

美しが丘中学校区 学校・家庭・地域連携グループ

学校の通学路に花を植え、保護者がそれを手入れしながら児童・生徒に声掛けすることで子どもの安全を守る取り組み。小学校2校、中学校1校の生徒が集まりフラワーポットを作成。安心安全とともに地域コミュニティの向上にもつながりました。

世田谷区立等々力小学校環境部

校内のビオトープで生きものについて学んだり、近隣の園芸高校と木製プランターをつくったり、緑化促進につながる地域ぐるみの活動。児童たちが地域を回ってプランター設置のお願いをすることで、近隣コミュニケーションの向上にも寄与しました。

世田谷線とせたがやを良くする会「ガーデントラム山下」

世田谷線山下駅前にある花壇「ガーデントラム山下」に植えられた「玉電100周年記念樹」の桜の調査や新たな桜の植樹を実施。世田谷区や商店街、大学と連携しながら活動をすることで、街のネットワークが強化されました。

15:00

日吉丸の会代表 小宮氏による講演

テーマ「現在の日吉丸の会 運営活動について」

本日は、『みど*リンク』アクション支援後の運営活動についてご報告したいと思います。

まずは「日吉丸の会」がどのようなグループかということです。上空から日吉キャンパスを見ると、台地状になっているのですが、この台地の縁をたどっていくと動物のような形をしています。これを架空の動物「日吉丸」と名付け、会の名前としました。

日吉キャンパスにはまむし谷という場所があるのですが、ここを中心に雑木林や水辺の生物の世話をする、そしてお世話を通してまちづくりに貢献しようというのが私たちの活動の目的です。その際に大切なのは、「流域思考」という考え方です。「流域思考」とは、流域単位で環境のことを考えようということ。生物のにぎわいや地球温暖化による災害についても、流域単位で考え対応していこうというもので、会を創設された岸由二先生(慶應義塾大学名誉教授)の考え方に基づいています。

ここから、『みど*リンク』アクション支援後の活動についてご紹介してまいります。活動は大きく2つに分けることができます。ひとつが「流域連携の拡大」、2つめが「NPOや行政との連携」です。

ひとつめの「流域連携の拡大」というのは、矢上川流域で活動をする他グループとの連携をさらに広げたということ。まず2015年度支援グループとなった「松の川遊歩道(緑道)の会」を応援する取り組みを実施しました。私たちが『みど*リンク』アクションの支援を受けて行った活動のひとつ、パセリのプランターを街に増やしてキアゲハを呼ぶという活動を引き継いでもらったのですが、そのノウハウを私たちが提供しました。また同グループが管理している松の川緑道におけるビオトープの新設や改修のお手伝い、さらに2グループ合同で、日吉地区センター開催の「子どもまつり」に出店することで、新たに日吉地区センターとつながることもできました。

本日活動報告なさった2016年度支援グループ「矢上川源流美しの森管理会」との連携も実現しています。同グループが実施した公園の環境保全活動の応援に駆けつけたほか、日吉キャンパス内に生えているキショウブも提供しました。

次に2つめの「NPOや行政との連携」についてですが、まず、日吉地区センターとの連携をさらに進め、センター主催の講演会や、「日吉キャンパスの生きものの観察会」というイベントを実施しました。また、「NPO法人鶴見川流域ネットワーキング」と連携し、「港北区・鶴見川流域水協議会」(事務局・国土交通省京浜河川事務所)の事業である「港北水と緑の学校 慶應の森の探検隊」というイベント、さらに鶴見川流域の水災害などに関するセミナー「水マスタープラン啓発のための研修会」の運営も行いました。

最後に少しまとめます。まず『みど*リンク』アクションの支援を受けてよかった点ですが、地域での連携が非常に進めやすくなったということがあります。そのおかげもあると思うのですが、2014年度の横浜市の横浜環境活動賞・市民の部「大賞」「生物多様性特別賞」を、2016年度の環境省 「地域環境保全功労賞」を受賞しました。これは支援を受けたことが大きな契機になっていると思います。

私たちは都市で緑の活動をしていますが、なかなかボランティアだけでは活動が限定されます。ですからやはり連携が不可欠であると思います。学校や企業、NPO、行政との連携、これを深めていく必要があると思います。もうひとつ言いますと、緑をリンクさせることも重要です。都市の緑というものは、「孤立している」と言っていい。日吉キャンパスも緑の孤島になってしまっています。こういった課題も市民グループだけでは対応しきれません。やはり各所との連携により、活動の輪を広げていくことが解決の糸口になるでしょう。今後、私たちも企業などとの連携を深め、流域と水と緑のネットワークの発展に、さらに尽力したいと思います。(以上、要約)

15:40

2017年度支援8グループ紹介

2017年度支援8グループが自己紹介しました。

16:00

東急電鉄の環境に関する取り組みについて

東急電鉄 CSR推進室 CSR推進部 環境課 山口課長補佐から、「環境報告書」を中心に、環境に関するさまざまな取り組みについて説明

16:05

「乗ってタッチ みど*リンク」の取り組みについて

東急カード株式会社 カード営業部 担当課長 植竹様より「乗ってタッチ みど*リンク」についてご説明

「2013年2月より、『乗ってタッチTOKYUポイント』がスタートしました。これは、東急線や東急バスに、PASMOやSuicaなどのICカードで乗っていただき、東急線沿線の商業施設にある専用端末にタッチしていただくと、TOKYUポイントが10ポイント貯まる仕組みです。東急線沿線の皆さまに電車やバスでの移動を働きかけ、環境保全に努めている次第です。

さて、『乗ってタッチ みど*リンク』についてですが、こちらは『乗ってタッチTOKYUポイント』と『みど*リンク』アクションを連動させた仕組みとなっております。PASMOやSuicaで専用端末にタッチしていただくと、お客さまにはTOKYUポイントが、同時に、東急電鉄から『みど*リンク』アクションの活動に5円を拠出しております。東急線沿線の皆さまに参加意識を持っていただき、一緒になって沿線緑化を推進しただくことを目的とした取り組みとなっております。

昨年の『乗ってタッチ みど*リンク』では、タッチ数が約150万タッチ、金額にすると約750万円を拠出することができました。開始した2013年は、1年間で約39万タッチ、金額にすると190万円ほどでしたから、4年足らずで4倍近くにまで増えたことになります。今後も交通系広告などを通じた周知に努め、皆さまと一緒に緑化活動を進めたいと思います。」

→「乗ってタッチ みど*リンク」

16:10

2016年度『みど*リンク』アワード発表

活動報告を行った2016年度支援9グループの中で、得票数が最も多かったグループに、表彰状と副賞が贈られました。

【アワード受賞グループ】せたがやホッププロジェクト
【理由】ホップの育成を通して、地域交流・世代交流が図れるだけでなく、収穫したホップでビールづくりができるなどの活動の広がり、1年を通してコミュニティづくりに貢献するところが高く評価されました。

せたがやホッププロジェクト 代表・古畑様、市原様、小林様より喜びの言葉

「3人で飛び上がって喜んでしまいました。参加していただいた地域の皆さん、そしてご指導、ご協力いただいた多くの関係者の方々にも、感謝の気持ちを伝えたいです」(古畑様)

「『絶対にアワードに選ばれるよ』と自分たちで言い合っていました。それくらい充実した取り組みだったのですが、まさか本当に選ばれるとは、驚きでいっぱいです」(市原様)

「『アワード受賞よかったね』と自分たちがつくったビールで皆と乾杯したくなりました。これからも楽しく活動を続けていきたいと思います。ありがとうございました」(小林様)


「世田谷ホッププロジェクト」
古畑様(中央)
小林様(左)
市原様(右)

16:20

記念撮影

16:40

懇親会

立食パーティ形式の懇親会が開催されました。各支援グループの皆さんが食事を楽しみながら、和やかに交流を深めました。

参加者に今回のカンファレンスの感想を聞くと、「いろいろな場所で、さまざまな活動をしている人がいることを知ることができてよかった。今後の活動の参考にしたいです」という声のほか、「自分たちと近い活動をしている人たちが、ほかの街にもいることがわかりました。これらのグループ間をよりしっかりとつないでくれる仕組みができれば、さらにおもしろい展開が生まれる場になるのかなと思いました」といった提言もいただきました。

今後の展開に期待が高まる中、第5回カンファレンスは無事終了しました。

18:00

閉 会