『みど*リンク』アクション

立冬間近の11月4日、東急目黒線武蔵小山駅から少し歩いたところにある「共同保育所 コロちゃんの家」で『みど*リンク』アクションが開催されました。
今回の支援団体は「コロちゃんの家」です。
当初予定していた目黒平和通り商店会への移転がコロナ禍で延期され、商店会での緑化活動は持ち越しになりましたが、植物を育て、収穫し、それを食べるという都会ではなかなかできない四季折々の体験の機会を、子どもたちにつくっています。

この日は、子どもたちが作業をする前に『みど*リンク』アクションの認定証の授与式を行いました。施設長の野澤満理子さん、保育士・金子順子さんと記念撮影。今回は、雨水タンクやエコプランター、コンポストや苗などが『みど*リンク』アクションから提供されています。

施設長の野澤さん(中央)と保育士の金子さん(左)

ほどなく、おやつを食べ終えた2歳児クラスの園児が外に出てきて、コンポストの入ったバッグを囲みます。給食の調理で出た生ゴミを金子さんが投入すると、スコップを手にした園児が中身をかき混ぜます。

コンポストのバッグを囲んで、園児が順番にかき混ぜます

少ししたら次の子へ。譲り合う姿から仲の良さがうかがえます。しかもみんな集中しているからでしょう、無言でのぞき込んで中身を確認していました。

コンポストのバッグを覗き込んで、「ちゃんと混ざったかな?」

コンポストの作業がすんだら、次は植物の水やりです。雨水タンクに貯めてある水をじょうろに注ぎ、プランターまで運びます。「最初はプランターにうまく水が入らなかった子も、いまはとても上手にできるようになりました」と、子どもたちの水やりを見守りながら金子さんが目を細めます。今年の4月から借りている畑では、子どもたちが水を入れたじょうろを持ってあぜ道を歩き、一列になって水をあげているそう。どうりで水やりはお手の物なんですね。

雨水タンクからじょうろに水をくみます

「大きくなあれ」と水やり。左手でノズルを支えて確実に

「休日の水やりはどうしているんですか?」と聞いてみると、「ご近所の保護者の皆さんが交代で来てくれているんです」とのこと。遠方から来ている保育士さんもいることから、思いきって保護者に相談したところ、快く引き受けてくださったのだそうです。栽培日記には、休日の水やりを担当していらっしゃる保護者の方が描かれたイラストも載っています。その傍らには「頂いたおナスは夏野菜カレーに入れました!ごちそうさまです」と書かれてあり、楽しそうに収穫されたことが伝わってきます。

保護者も一緒につけている植物の栽培日記

コロちゃんの家から歩いて2分ほどの距離に「林試の森公園」があります。明治から昭和にかけて林業試験場になっていた自然豊かな場所で、ここが園庭代わり。子どもたちは毎日、植物や生き物と触れ合っています。

園内でも「季節の移ろいを体感できるように」と、玄関口にはたくさんのプランターが並んでいます。ウインターコスモスやパンジーのような花に加えて、オクラやミカンも。オクラは、もう少ししたら種を取り出し、来春の種まきまでとっておきます。先日は芋掘りもしたそう。「芋掘りといっても、土のう袋に土を入れて育てたお芋ですけれど」と、施設長の野澤さん。土がない環境でもアイデア次第で芋掘りが楽しめるんですね。

プランターは通りに向けてあり、道行く人も楽しめます

オクラの実。種を取り出すまであともう少し

みんなで収穫したサツマイモを陽にあてて乾燥中

「平和通り商店街みどりの輪」野澤満理子さんのコメント(共同保育所 コロちゃんの家 施設長)

「コロちゃんの家」は、産休明けからいつでも入れる保育所をつくろうと、1968年に地域の働くお母さんやお父さんが中心となって設立した共同保育所です。いまの場所には庭がありませんが、季節ごとに植え替えながら花と緑を絶やさないようにしています。保護者の皆様も協力してくださり、玄関先に置いてあるゴムの木は卒園時に寄贈してくださったものなんですよ。

プランターに植える苗は、平和通り商店街のお花屋さんへ出向いて子どもたちが選んでくれています。今回、花だけでなく野菜や果物も育てることで、「収穫して自分たちの食材としていただく」という貴重な体験ができました。採れたてのキュウリやナスは本当においしい。理屈ではなく、体験を通して実感していくということは、都会ではなかなかチャンスがありませんから、いい機会でした。コンポストも、職員が保護者の皆さんに呼びかけ、自宅で挑戦しています。できた堆肥は、移転先で新しいプランターの土に使う予定です。

ここでの子どもたちの成長とともにある花や緑とのふれあいを、保護者の方々にも追体験していただけたらと思っています。これからも、生活のそばに土があり、花があり、緑がある、という環境を広げていきたいですね。