『みど*リンク』アクション

11月21日、たまプラーザ駅から徒歩約15分の美しが丘中部自治会館にて、「街のはなし」実行委員会を支援する『みど*リンク』アクションが開催されました。

美しが丘中部自治会館にて授与式を実施

実行委員会の藤井本子代表(中央)と谷山さん(右)

「街のはなし」とは、アーティストの谷山恭子さんが2014年に立ち上げた冊子形式のアートプロジェクトです。たまプラーザに住む人、この街につながりのある人、さまざまな年代の人に「街の中の好きな場所」を聞くインタビューを実施。それを谷山さんが書き起こし、語り口調を生かした散文(エッセイ)にまとめたものに写真を添えた冊子「街のはなし」を年1回発行しています。

街の日常をそれぞれの目線で切り取り、言葉のぬくもりにあふれた「街のはなし」は、号を重ねることで、まちづくりの歴史を若い世代に継承するための有用な資料にもなっています。現在は「街のはなし」実行委員会が活動を担い、住民が参加できる写真の選考会を開催したり、美しが丘中学校で地域の歴史やまちづくりについての授業を行ったりするなど、地域の人を巻き込むプロセスを重視しています。

今年度、同実行委員会では、第8号となる「街のはなし」の制作・発刊を予定。併せて、美しが丘小学校・松瀬歩校長へのインタビューをYouTubeで公開したり、過去のコンテンツをウェブサイトに掲載したりといった、デジタル化も推進しています。さらに、これまでの記録とインタビューの音声を再編集し、関連する場所を巡りながら、そこでの出来事や情景を「音」で追体験できる「耳の街歩き」というイベントを開催するなど、さまざまな先進的取り組みを行っています。

冊子「街のはなし」は文と写真で構成されています

場所の緯度と経度が書かれています

本日は、「街のはなし」の朗読会と第8号に掲載する写真の選考会を行います。参加したのは、「街のはなし」実行委員会の皆さんと谷山さん、そして当社社員です。

最初に『みど*リンク』アクションの認定証授与式を実施。その後、谷山さんが書き起こしたインタビューを参加者が一人ずつ読み上げ、録音しました。はじめは緊張していた人も少しずつ慣れ、朗読の時間は無事終了。続いては、冊子に掲載する写真の選定作業です。これらの写真は谷山さんがインタビューの内容に関連する場所や情景を撮影したもの。参加者たちは、机の上に並んだ写真を見比べて、それぞれに合う写真を選びました。

朗読会が始まりました

少し緊張しながら一人ずつ朗読します

続いて、掲載する写真を選びます

各自これだと思った写真におはじきを置きました

谷山さんが「街のはなし」のバックナンバーを見せてくれました

「街のはなし」実行委員会の取り組みは、コミュニティ形成のハブとなる活動として、地域にしっかり根付いています。次々とアイデアを形にする意欲的な展開に、大いに期待が高まった一日となりました。

「街のはなし」実行委員会 谷山恭子さんコメント

「街のはなし」は、2014年に立ち上げたプロジェクトです。地域のアートイベント「AOBA+ART」に私が呼ばれたときに、資産として残るようなものができたらいいなと考え、街の人たちに「好きな場所」をインタビューして、それをエッセイ形式の冊子にしたのが始まりです。

2017年に私が海外移住したため、地域主体の「街のはなし」実行委員会を立ち上げていただき、そこに運営を移しました。その際、内容を「街の歴史」にフォーカスし、現在の形になりました。

毎回エッセイに添える写真はアナログフィルムで撮っています。デジタルと違い、アナログで撮ると絵に厚みのようなものが出ます。ここはこだわって、ずっと変えないようにしています。

現在はたまプラーザに限定した活動ですが、冊子だけでなくいろいろなものがそろってくると、他の街でも展開できると思います。たまプラーザでの取り組みは書籍化する計画もありますので、それをぜひ実現させ、他の地域の人たちにも知ってもらい、横展開へとつなげていければうれしいですね。

また、たまプラーザでの活動は開始から8年も経っていますので、今後は“記憶(歴史)のアップデート”と言いますか、過去のものを残しつつ、新たなコンテンツを加えていければと考えています。