『みど*リンク』アクション

10月24日、田園都市線・たまプラーザ駅から徒歩5分ほどの「家づくりカフェ(田園都市建築家の会事務局)」にて、『みど*リンク』アクションが開催されました。今回の支援グループは、「街のはなし」の書籍化に取り組む「たまプラーザの歴史書籍出版委員会」です。

「街のはなし」は、2014年にアーティストの谷山恭子さんが立ち上げた冊子形式のアートプロジェクトです。たまプラーザの住民や、街にゆかりのある人に、「街の中の好きな場所」を聞くインタビューを行い、それを谷山さんが書き起こし、語り口調を生かした散文(エッセイ)にまとめ、写真を添えて冊子にします。街に住む人たちの目線で日常が切り取られ、地域の変遷と社会の変化をいきいきと伝える「街のはなし」。たまプラーザのまちづくりの歴史を若い世代に継承するための貴重な資料にもなっています。現在は、『みど*リンク』アクションの2021年度支援グループ、「街のはなし」実行委員会がその活動を担っています。

2014年から続く「街のはなし」は、2021年度に100人分のオーラルヒストリーが集まりました。これを機に一冊の書籍にまとめようと、「街のはなし」実行委員会の代表者である藤井本子さんが立ち上げたのが、「たまプラーザの歴史書籍出版委員会」です。

本日の『みど*リンク』アクションは、「街のはなし」にも掲載された写真がたくさん並ぶ「街のはなし写真展」の会場で開催。参加したのは、たまプラーザの歴史書籍出版委員会の皆さんと地域の人たち、そして当社社員です。

写真展の様子

たくさんの方が来場していました

好きな写真を選びシールを貼る試みも

認定証の授与式の後、「街のはなし」に掲載されたエッセイを参加者たちが順番に読む朗読会が開かれました。かつての街の光景を思い浮かべながら、当時の記憶をたどったり、エッセイの感想を話したり。自分たちの生活の場である、たまプラーザへの思いを確かめ合っているようでした。

認定証授与式

代表の藤井さん(左)にお渡ししました

現在、たまプラーザの歴史書籍出版委員会では、『みど*リンク』アクションの支援に加え、クラウドファンディングによる資金集めも行っています。来年(2023年)の1月頃には「街のはなし」の書籍が完成する見込みとのこと。できあがった書籍は、地域の小学校の図書館にも寄贈し、子どもたちの地域への愛着の醸成や、他エリアから赴任してきた先生の地域理解のために活用してもらう予定です。

「街のはなし」を手に会話が弾みます

朗読会が始まりました

エッセイに登場した場所について話す参加者

皆さんとても楽しそうでした

すてきな書籍ができるといいですね!

たまプラーザの歴史書籍出版委員会 藤井本子(ふじい・もとこ)さんコメント

これまで「街のはなし」を9冊作り、合計100人のインタビューを掲載しました。そのうち80代、90代の方が何人か亡くなられています。つまり小学校の総合学習などで、街の歴史を話してくれていた語り部が少しずついなくなっているわけです。そうした方々から聞いたことを含め、これまでの話をきちんと残しておきたいと思ったのが、「街のはなし」の書籍化のきっかけです。

「街のはなし」には、高齢者にとっては、たまプラーザの“あるある”が詰まっています。一方、子どもたちからすると、地域の“トリビア”がいっぱいです。これを書籍化することで、世代間の対話の糸口になればいいなと考えました。

完成した書籍は小学校の図書館にも寄贈したいと思います。小学校では今、横浜の他エリアから赴任してきた先生が子どもたちを教えているケースも多いです。そうした先生方が地域のことについて教えるときに、“あんちょこ(参考書)”として我々の書籍を活用していただければと考えています。

「街のはなし」は、地域の人たちに「好きな場所」を聞いてエッセイにまとめたものです。皆さんの「好きな場所」には、たまプラーザの開発が始まってからの50年間の歴史が積み重なっています。50年後の未来を担う子どもたちにその歴史に触れてもらい、当たり前にある環境ではなく、みんなで守ってきた環境であることを伝えていければと思っています。