朝晩の冷え込みが増す霜降(そうこう)の季節に入った10月27日、東急東横線日吉駅から5分ほどの横浜市立日吉台小学校で『みど*リンク』アクションが開催されました。今回の支援グループは、同校が来年創立150周年を迎えるにあたって結成された「日吉地区周年記念事業実行委員会」です。
「日吉台小学校には実のなる木がたくさん植えられているんですよ」と教えてくださったのは、同校の技術員の方です。ユズ、ウメ、イチジク、アンズ。柿は今年200個も採れたそうです。「カラスが味見をしに来たら、食べられないように一気に収穫します」とのこと。そしてミカンは給食のゼリーになるそうです。
そんな自然の恵みを楽しめる日吉台小学校の校庭脇で、『みど*リンク』アクション認定証授与式が行われました。
日吉地区周年記念事業実行委員会のメンバーはPTAの有志の方々です。代表の室町ななみさんに認定証を授与した後、皆さんと記念撮影。今回は、季節の一年草、および花壇のリニューアル工事に伴う費用などが『みど*リンク』アクションから提供されています。
この日作業したのは、長らく手つかずの状態にあった花壇です。数日前に高く伸びた雑草を刈り取り、この日は古い根を取り出していました。しかしこれが一苦労。かなり深くまで根が張っているので、シャベルや熊手で力いっぱい掘り起こします。技術員さんもツルハシで加勢していました。
リニューアル後はどんな花壇になるのでしょうか。「先日もここで作業をしていたら、子どもたちが寄ってきて“秋の花は何?”と聞いてきたんです。子どもたちが花から季節を感じられて、また授業にも使えるように、四季折々の草や花でいっぱいにしたいですね」と室町さん。
日吉台小学校の創立は明治6年。横浜市でも最も古い学校のひとつで、地域住民の方々の中にも卒業生がたくさんいらっしゃいます。こうした背景から室町さんたちは、150周年に向けて何ができるかを話し合った際、学校と地域の架け橋になるような花壇にしようと決めたそうです。
150周年の前年にあたることから、パンジーで「149」の花文字を花壇につくることにしました。2時間目と3時間目の20分間の中休みに入ると飼育栽培委員会の児童たちの登場です。室町さんたちの説明を聞きながら、リニューアル中の花壇の隣にある低い花壇に花を植えていきます。
「150周年のときは私たちいないね」と話していた6年生。室町さんたちは「来年になったら見に来て欲しいな」と願っています。
室町さんは日吉地区周年記念事業実行委員会について、「学校のために、子どもたちのために、という同じ志を持った方々が集まってくれました。作業時間は限られていますから、皆さん黙々と作業を進めてくれて本当にありがたいです」と話します。メンバーの中には、「花ボラ(ボランティア)さん」という名前で親しまれている保護者の方々がいらっしゃいます。室町さんもその一人で、今回のプロジェクトを推進しています。
「コロナ禍で保護者会がオンラインになったり、授業参観が中止になったりする中で、こうして花壇の手入れをしながら、子どもが家にいるときとは違う表情を見せたり、のびのびと学んでいる様子を見られるのはうれしいことです。力仕事もありますが、保護者会のお休みが続いている中でこうして会って、子育ての悩みを話したり、経験談を聞いたりもできるので、大変なことだけではないんですよ」と室町さん。
この日の校庭では子どもたちが、2日後に迫った運動会の練習をしていました。子どもたちもまた、親御さんを見つけて安心に思ったり、張り切ったりしたかもしれませんね。
日吉地区周年記念事業実行委員会 代表 室町ななみさんのコメント
学校の授業もデジタル化が進む中で、今日のように子どもたちが陽を浴びながら花を植えることで土に触れたり、ミミズやナメクジを見つけたりする時間がとても大事なことだなあと思います。
『みど*リンク』アクションのことは地域コーディネーターさんに教えていただきました。花壇をリニューアルして子どもたちに四季折々の草花に親しんでもらいたいと思っても、予算があるかどうかで活動の幅が変わってきます。こうして花を植える費用をご支援いただくことで、私たちも一歩が踏み出せますし、みんながんばろうとエネルギーもわいてきます。ありがとうございます。
今回リニューアルする花壇は、水が流れる池と一体になったもので、もう何年も水を入れていません。今の在校生は、この池でお魚が泳いでいたのを見たことがないので、150周年を機に池も復活させられたらと思っています。周年事業を成功させるためにも、子ども・保護者・先生、そして地域の方々で力を合わせて、ますます花と緑で明るい日吉台小学校にしていけたらと思います。