『みど*リンク』アクション

「海の日」の7月17日、晴天に恵まれ、都立林試の森公園で『みど*リンク』アクションが開催されました。今回の支援グループは「不動プロボノネットワーク」です。

不動プロボノネットワークは、地域住民有志が目黒区の不動住区周辺を中心に活動しています。『みど*リンク』アクションでは昨年度、綿花の種まきから収穫後までを通じて自然の循環を体験する「コットンで紡ぐ笑顔あふれるまちづくり」の企画を支援。地域全体の緑化に貢献し、SDGsや環境について考える機会となりました。
そして今回は、草花や野菜が育つのに必要な「土」に着目。さらには循環する社会・地域 にも目を向けていきたいということで、“コンポスト”を活動テーマに選んでいます。

本日は、不動コンポストプロジェクトのキックオフとして、林試の森公園サービスセンターでコンポスト体験と土の面白さを体験する「腐葉土観察&バイオネストづくり」を行います。イベント告知をSNSなどで見て来た近隣の子ども連れ家族の参加者も多く、普段より平均年齢が上がっているようでした。

参加者に配られたLFCコンポスト(コンポストバッグ)は、生ごみの分解を速め、悪臭の発生を抑える独自の配合基材(生ごみと混ぜ合わせる原料)や、水や虫の侵入を防ぐ特注のファスナーなど、各所に工夫が施されています。野菜くず、コーヒーやお茶の出がらしなどの生ごみを混ぜてみました。分解されやすい生ごみや、虫などが侵入しづらいコツなどについて説明があったほか、林試の森公園の職員と週末に林試の森で活動している社会人ボランティアチーム、ホリデークラフトの皆さんからは、土の面白さを体験する腐葉土観察&バイオネストづくりについて説明がありました。

代表の沖さんがLFCコンポストについて説明

LFCコンポスト(コンポストバッグ)

「コンポストバッグの中身をブルーシートに出して匂いを嗅いでみたり、手で触ったりしてみましょう」

みど*リンク認定証授与式を実施(左が沖さん)

ホリデークラフトの皆さん

会場の林試の森公園では、これまで適正な維持管理によって公園機能を確保し、多様な環境の創出を行ってきました。公園内の樹木や自然環境を未来につなぐため、本公園を「SDGsパークセンター」と位置付け、環境教育プログラムの充実などに取り組んでいます。林試の森公園の職員からは、樹木には温室効果ガスを吸収する役割があることや、落ち葉から腐葉土を作る資源の循環について説明がありました。

実際に林試の森の落ち葉で作られた腐葉土

大きなミミズなどが出てきて子どもたちは大はしゃぎ

剪定作業で出た枝や落ち葉を捨てずに再利用した巨大な鳥の巣「バイオネスト」。 自然の風景と違和感のない堆肥置き場です

落ち葉や枝を差し込んで実際に作ってみましょう

腐葉土からは、コオロギの赤ちゃん、ムカデ、ミミズなどの虫が出てきました。手で触って匂いを嗅いで。落ちて間もない落ち葉は、ミミズなどが食べ、微生物が働きやすくなり、分解が進み、植物にとって栄養豊かな土になっていきます。参加者からは積極的に質問が飛び出しました。公園サービスセンター内では、林試の森の落ち葉のサイクルなどの展示もあり、子どもたちが土に触る機会が減ってきている中でいい経験になったのではないでしょうか。

公園サービスセンター内の展示コーナー

土に触れる貴重な機会となりました

不動プロボノネットワーク 代表 沖 尚志さん コメント

元競馬南泉公園を拠点に活動している南泉公園グリーンクラブと不動プロボノネットワーク、下目黒5丁目自治会、『みど*リンク』アクションが共同で行う緑化活動「まちまるごとグリーンガーデンプロジェクト」は、毎月日曜日に活動しており今年で4年目になります。

SDGsの考え方が広がる中で、フードロスやごみ問題について目を向ける機会も増えています 。今回はコンポストを題材に生ごみが堆肥になることを体験できる機会を作ました。約3~4か月かけてできあがった堆肥を、自宅で草花を育てるプランターや元競馬南泉公園の花壇に提供することで、地域の中でのつながりの循環にもなります。
また、季節の草花を用いたガーデニングイベントを行い、参加者には自宅前等で季節の花を育ててもらうことで、地域に多くの花と緑を広める活動も行っていきます。

食べ物としての「循環」と地域の中での「循環」。そういう意味では若いホリデークラフトの皆さんや、日頃接点のない方と繋がれたことが個人的にはとても良かったなと思います。