1月9日、東急東横線の綱島駅から徒歩5分ほどの鶴見川左岸高水敷(河川敷)にて、『みど*リンク』アクションが開催されました。今回の支援グループは、横浜市を中心に地域のコミュニティづくりや活性化に取り組んでいる「特定非営利活動法人 ちいき未来」です。ちいき未来は、2022年度の支援グループにも選ばれています。
同グループでは、青少年に向けた映像・アート・デジタルコンテンツのワークショップを開催しており、現在は「小中学生が制作するデジタルパーク」という取り組みを進めています。これは、東横線の東白楽駅から反町駅を経て横浜駅へとつながる「東横フラワー緑道」を舞台に、花や緑の世話をする地域団体の活動や生きものの営みを、不登校の小学生が撮影して、映像作品としてYouTubeに公開するという活動です。
季節ごとの自然の移り変わりや、緑道の維持・整備をしている人たちの活動を伝えるともに、映像制作や配信作業を通して、子どもたちの自己肯定感や自尊心を高めることを目的としています。2023年度、子どもたちは、「東横フラワー緑道」以外にも、川崎市や横浜市青葉区で活動をする団体や公園も取材するなど、活動の場を広げています。
今回子どもたちが取材するのは「OE!yokohama (おーいーよこはま)」。「NPO法人鶴見川流域ネットワーキング」(2020年度『みど*リンク』アクション支援グループ)の活動に参加しながら、鶴見川流域の植生管理や生きもの調査に取り組んでいる地域団体です。
鶴見川の河川敷に集合した子どもたちは、「OE!yokohama」の活動に参加させてもらいつつ、その取り組みを小型カメラやiPadを使って撮影していきます。まずは、『みど*リンク』アクションの認定証授与式を実施。続いて作業開始です。
最初に子どもたちが撮影したのは、河川敷で育てているハマカンゾウの根を分けて増やす「株分け」作業。ハマカンゾウを掘り出して、大きく育った株をいくつかに分け、植えていきます。子どもたちは、株分けを手伝いつつ、楽しそうに撮影していました。
続いて、大綱橋のたもとに移動し、鶴見川の生きもの調査を行います。この作業では、子どもたちは投網(とあみ)を体験。その様子を、ちいき未来の映像ワークショップ講師・森さんが撮影しました。作業着に着替えた子どもたちは、網を手に大綱橋の橋台へ。キラキラと水面が光る鶴見川に向け、力いっぱい網を投げては、引き寄せます。今回は、在来種のオイカワ(ハゼ)が一匹獲れたのみでしたが、子どもたちは、笑顔を見せながら、夢中で投網を繰り返していました。
本日撮影した映像は、近日中に子どもたち自身が編集し、映像作品としてYouTubeに公開する予定とのことです。生き生きと活動する子どもたちの様子が印象に残ったイベントでした。
特定非営利活動法人 ちいき未来 理事/映像ワークショップ講師 森康祐さんコメント
昨年度も行った「東横フラワー緑道」での取材は続けているのですが、今年度はそれとは別に、県内の他地域の活動や公園などの様子も子どもたちが撮影して、それを映像作品として公開する取り組みも行っています。今はその編集作業に入っていて、2月ごろには全て公開できるのではないかと考えています。
子どもたちにいろいろな地域に撮影に出向いてもらう目的は2つあります。ひとつは、他の地域の情報を紹介したいということ。もうひとつは、子どもたちが、全く知らない人と会う機会を提供することです。不登校の子どもたちは、どうしても普段出会う人が限られてしまい、世界が狭くなってしまう傾向にあります。他地域への取材を通して、子どもたちの世界を広げるきっかけを提供できればと思っています。
今後は、映像コンテンツを作りやすくなるような、不登校の子どもたちへの指導方法も含めたコンテンツを作れればと考えています。不登校のお子様を持つ親御さんや学校の先生、教育現場の方々が、子どもたちと映像コンテンツを作ろうと思ったときに、「どうしたらいいのかわからない」という声をよく聞きます。そうしたときに役立てられるコンテンツを提供できればうれしいですね。