『みど*リンク』アクション

梅雨入りも近い6月1日、みなとみらい線・元町中華街駅から徒歩10分ほどの高台にある元町百段公園にて『みど*リンク』アクションが開催されました。支援グループは、元町百段公園においてネイチャーポジティブ・生物多様性保全に配慮したバラの無農薬・無化学肥料による実証栽培を行う「なか区民クラブ」です。

一般的に、バラの栽培では病気や虫害を防ぐために、農薬の使用が不可欠であると考えられていますが、一方で農薬の環境への影響が懸念されています。バラを鑑賞する際に花に顔を近づけて香りを楽しんだり、その実や花を食用に用いたりすることもあり、人体への影響も懸念されます。

そこで「なか区民クラブ」では、環境保全・生物多様性保全、健康維持などSDGs(持続可能な開発目標)の観点から、東京都市大学横浜キャンパスで20年以上の実績がある田中章さん(同大学元教授)を顧問に迎え、元町百段公園にて無農薬・無化学肥料でバラ栽培を行い、その可能性を広く社会に伝えようとしています。

本年度は、定例活動である元町百段公園でのバラ栽培やワークショップなどの啓発活動に加え、「横浜GREEN×EXPO(2027年国際園芸博覧会)」の出展準備や、風通し・水はけ改善・雑草防除・修景のためスコリア(火山礫)によるマルチング(土の表面を覆うこと)などにも挑戦します。

雑草を集めます

花がらも丁寧に取っていきます

雑草や花がらは堆肥置き場で発酵させます

伊豆大島産のスコリアでマルチング

火山礫の穴に水が吸収されるため、水やりの負担が減るそう

害虫を食べてくれるシジュウカラの巣箱も設置

「横浜GREEN×EXPO2027」のロゴが入ったビブス

参加者が集まったら集合写真を撮影し、さっそく作業開始。公園内に咲き誇るバラの花がらを詰み、雑草も除去していきます。花がらや雑草は公園内に設置された木枠の中へ。ここで数ヶ月かけて発酵させた後、堆肥として使うのだそうです。

手際よく作業は40分ほどで終了。ここから山手234番館(横浜市認定歴史的建造物)の会議室へと移動し、定例会が開催されました。

定例会では盛んに意見が飛び出していました

定例会では、会計報告などが行われた他、5月11日に一般向けに開催された「バラと無農薬栽培レクチャーとワークショップ」と、同月25日開催された「バラ鑑賞ツアー」の振り返りが行われました。今回のイベントを通して参加者が一名増えたとのこと。今後は近隣の学校にも参加を呼びかけるなどして「メンバーのさらなる拡充を目指す」そうです。この先の盛り上がりが大いに期待される会となりました。

代表の岡田さん(左)と、金田さん(右)

なか区民クラブ 岡田 實さん、金田 智久さんコメント

実は我々は、田中章先生がまだ東京都立大学の教授だった2023年度、同大学の学生が中心となった「元町百段公園バラの無農薬栽培チーム」で『みど*リンク』アクションのご支援を受けています。そんなご縁もあって、今回は地域団体が主体となり応募いたしました。

元町百段公園では、ご覧のとおり無農薬・無化学肥料でもバラが咲き誇っています。その上で、少しでも見栄えを良くして、作業負担を減らすという目的で、伊豆大島産の火山礫(スコリア)をバラの根元に敷き詰めることを企画しました。今回のご支援でそれが実現することを大変うれしく思っています。

本年度は「横浜GREEN×EXPO(2027年国際園芸博覧会)」の出展に向けた準備にも注力したいと思います。国際的にも、ネイチャーポジティブや生物多様性保全に配慮したバラ栽培の重要性は高まっています。そこに我々も「市民力」を持ってアピールしたいと考えています。(岡田さん)

私たちは、無農薬を通して生物多様性につながるような活動をしているわけですが、やはり我々だけでなく、もっと若い世代、特に子どもたちにもそれを伝えていきたいと考えています。定例会の議論にもありましたが、次の世代につながる活動となるよう、これからも頑張りたいと思います。(金田さん)