『みど*リンク』アクション

台風一過の青空が広がった10月2日、東急東横線・大倉山駅からバスで10分ほどの「みその公園横溝屋敷」向かいの畑にて、『みど*リンク』アクションが開催されました。
今回の支援グループは、2013年に結成された「熊野の森もろおかスタイル」です。

会場となるこの場所は、代々続く農家・横溝家の畑でした。やがて、時代の変遷とともに耕作放棄地が増え、そこが残土置き場や資材置き場になって、かつての農村の景観が失われつつありました。そこで「熊野の森もろおかスタイル」は、地主さんからの呼びかけでこの畑を再生し、里山の景観を守る活動を2020年冬から開始しました。

同グループは、ここを畑として利用するだけでなく、花や樹木の栽培、養蜂などを通して、地域の人たちがコミュニティガーデンとして使えるよう整備しています。
子どもたち・親子連れが参加できる緑化活動、農業体験をはじめ、人と環境が有機的につながる場を提供。また、エコストーブやソーラークッカーを使った野菜の調理体験を行うなど、防災意識の向上にも取り組んでいます。

認定証授与式が始まりました

代表の肥後さん(左)

本日の参加者は、グループのメンバーと地域住民、大倉山エリアで活動するボランティア団体の皆さんです。最初にグループ代表の肥後貴美子さんが関係者を紹介してくれました。続いて、コミュニティカフェを運営する「大倉山ミエル」の鈴木智香子さん、「大倉山はちみつ保存会」の笠井彰子さん、サポーターの横浜市会議員(鶴見区)の東みちよさん、師岡町内会の吉田博史さんらが挨拶。気持ちのいい青空の下、認定証授与式を実施し、その後、畑の各所に分かれて作業を開始しました。

畑の真ん中では枝豆の収穫が、その向こうではイチゴの苗を植える作業が進んでいます。子どもたちは、普段スーパーで目にする野菜が畑ですくすくと育った様子に興味津々。収穫した枝豆をうれしそうに見せてくれました。畑の入口付近に設けられたテントでは、摘んだばかりの花を使ったブーケ作りも行われています。

さあ作業開始です!枝豆を収穫します

枝豆を手にピース!

テントの中ではブーケが作れます

畑の奥で土を耕している耕運機は今回の支援品のひとつです。「作業がどんどん進み、とても助かっています」と喜びの声が聞かれました。

支援品の耕運機を使って畑を耕します

畑の一角では養蜂も行われています

畑のオーナー・横溝昌子さん

作業後には、エコストーブやソーラークッカーを使って調理された赤飯や芋煮、枝豆が参加者たちに振る舞われました。体を動かした後の食事は最高。皆さん、秋の一日をたっぷりと満喫したようです。

これがソーラークッカー!

エコストーブで赤飯を炊いています

お待ちかねの食事タイム!

大人も子どもも楽しい一日になりました

熊野の森もろおかスタイル 代表 肥後貴美子さんコメント

活動を始めたきっかけは、2011年の東日本大震災です。あの時に、地域のコミュニティやエネルギーの問題を足元から真剣に考えないといけないと感じ、活動をスタートしました。最初はエネルギーの勉強会など座学が多かったのですが、もっと暮らしに根付いた取り組みでないと浸透が難しいと思い、エコストーブやソーラークッカーでの料理を始めました。電気もガスも使わないで調理ができて、しかもおいしく食べられるということで活動も活発化していきました。

とはいえ、イベント的にやっていてもなかなか地に足の着いたアクションにはならない…。やはり活動拠点が欲しいと思っていました。そんな時に、私たちの活動を見ていた、地主さんである横溝昌子さんが、「譲り受けた畑が耕作放棄地になっているのだけれど、一緒に何か活動をしませんか」と声をかけてくれたのです。それで昨年の暮れに、このプロジェクトが始まりました。

最初は本当に草ボーボーだったんです。それをみんなで力を合わせて刈り取って、耕して、畑にしていきました。そのうち、「子どもに土を触らせたい」とか「農業体験をしたい」という人たちがどんどん集まり、今ではこのような形で賑やかにやっています。素晴らしい屋敷(横溝屋敷)の前でもあり、農地として残していくことは、景観を保全するためにも大事な意味があると思っています。

最近はコロナのこともあり、メンバーだけの活動に絞っていましたが、ここまで畑の整備が進みました。今後はメンバー以外の方も気軽に参加できるような取り組みを増やし、さらに農や緑に親しめるコミュニティの場を広げていければと考えています。