前夜からの冷たい雨が止んで、青空と陽光が顔を見せた1月21日、大井町線尾山台駅から商店街を2分ほど歩いたところにある地域のコミュニティーハウス「タタタハウス」で、せたがや大豆倶楽部による「味噌づくり」ワークショップが開催されました。
「せたがや大豆倶楽部」は、田園都市線用賀駅近くで、民家の庭を使った畑を営む農業コミュニティー・グループ。大豆と麦の2毛作を行って、収穫した大豆から味噌や納豆、麦から麦茶を作ったり、ホップや野菜、ハーブなどを育てたりする活動をしています。
今日は、大豆栽培を題材にしたワークショップの3回目。第1回は大豆の種まき、第2回は大豆の収穫(この時は枝豆としてみんなでおいしく食べたそうです)、そして今回は、収穫した大豆を使って「味噌づくり」を実践します。
これは地域住民と一緒に、農作業から食品づくりまでを体験し、食卓に並ぶ食品がどうやって生まれるのかを楽しみながら学ぼうというイベント。特に都会育ちの子どもたちには、思い出に残る新鮮な体験となるようで、親子連れの参加者が多く集まっています。参加者は小学生以下の子どもが5人、大人が12人でした。
味噌は7か月ほど寝かせて秋口になったら試食します。おいしかったらそのまま使ってもOK。もう少し熟成させたかったら再度寝かせるのだそうです。週に1回ほどの頻度で試食してみると、回を追っておいしくなっていくのが分かるとのこと。
作業の後は、一昨年収穫した大豆を使って、昨年の味噌づくりワークショップで仕込んだ味噌を使った豚汁を、参加者全員で食べました。「せたがや大豆倶楽部」の畑で収穫した野菜を調理した惣菜なども振舞われ、どれもとてもおいしいと好評でした。
このワークショップは、大豆から育ててその成育を観察し、収穫してその味わいを体験し、さらに発酵させて味わいの広がりを実感する、という過程を通して、農や食の楽しさを学べる“教室”ともなっているといえるでしょう。
■せたがや大豆倶楽部 代表 市原尚子さんコメント
私たちは「瀬田の畑」という小さな畑で活動しています。内容は主に大豆と麦の2毛作。あまり知られていないことですが、東京23区の中では畑の多い世田谷でも、大豆はほとんど育てられていません。そこで私たちはそれが育つところを見てもらいたい…と考えたのです。
私たちの畑では自然栽培を行っており、種を採って次世代以降も栽培することができる固定種・在来種の種を使用して、自家採種しています。この場合、3年でその地の固定種となるため、特に大豆は世田谷固定種「瀬田在来」と名付けて大切に育成してきました。そんな大豆が育って「味噌」や「納豆」、あるいは「きなこ」となる。それを実際に食べて、体感してもらいたいのです。
来期は麹作りにも挑みます。米麹、麦麹、そして大豆麹も作ってみたいですね。種付けから成育、そして食卓に並ぶまでを一貫して学べるワークショップを展開していきたいと考えています。