『みど*リンク』アクションの初年度となる2012年度の活動がすべて終了し、2013年度の支援先10団体が決定しました。そこで、2013年4月21日、二子玉川ライズ・オフィス棟の会議スペース「カタリストBA」において、『みど*リンク』アクション参加団体が一堂に会する「『みど*リンク』カンファレンス」が開催されました。各団体の方々がお互いの活動を報告し合うことでつながりを深め、学びの場となることを目的としたものです。
2012年度支援8団体の活動報告や、2013年度支援予定10団体の紹介が行われたほか、多方面で活躍されている東京都市大学・涌井史郎(わくい しろう)教授から、「みどりとレジリエンス(自己回復力)」をテーマにご講演をいただき、参加者一同、活動への意欲をさらに高めることができました。
各団体代表者の投票により決定した2012年度『みど*リンク』アワードの発表と授与式も開催。2012年度は、大岡山駅前広場に商店街や近隣の学校の方々と花壇を作った「大岡山さくらまつり実行委員会」が受賞されました。記念撮影のあとには懇親会が催され、参加者たちのコミュニケーションを深める貴重な時間となりました。
【開催日時】 2013年4月21日(日)15:00~19:00
【会 場】 二子玉川ライズ オフィス棟8F カタリストBA
15:00
東急電鉄 都市開発事業本部 都市戦略事業部 企画開発部 東浦統括部長による挨拶で、『みど*リンク』カンファレンスが開会となりました。
開会のあいさつ
15:10
2012年度の活動した8団体が、1団体につき5分ずつ、活動内容を発表しました。
この後、最も素晴らしいと思った団体に投票し、アワードを1団体決めます(投票は自団体を除く)。
各団体代表者による活動報告
15:55
テーマ「みどりとレジリエンス(自己回復力)」
昨年10月、豊かな生態系を守るための国際会議「COP11(生物多様性条約第11回締約国会議)」がインドのハイデラバードで開催されました。そこでインド政府が出したテーマが「自然を守れば自然が守ってくれる」です。まさに我々にとっての“みどり”というのは、これに尽きると思います。
涌井史郎教授による講演
みなさま方も活動を通してご理解されていると思いますが、みどりは、人と自然、そして人と人、人と社会、あるいは都市と農村、過去と未来をつなぐ、大きなつなぎ手であります。私はこれを「グリーンインフラ」と呼んでいますが、つい最近まではみどりをいかに利活用するのか、公園や緑地をどのように使うのかということに注力していました。しかし、みどりがそこにあることで生まれる効用、これにもっと着目しなければいけないと考えるようになりました。きれいで美しいということだけでなく、災害時にはこのみどりが命を救うきっかけになる、あるいは生き物が滅びない大きな基盤になる、あるいは空気を浄化してくれる、こういう存在効用というものを忘れないようにし、そのうえで多くのみどりを見て楽しんだり、コミュニティデザインのきっかけにすることが重要だと思います。
今まで我々の社会の基盤は「成長」でありました。豊かさを追い求める社会であり、人間同士のつながりもお互いの利害関係でつながるものでした。しかし今我々は、大事なのは「成長」ではなく「成熟」であり、社会資本だけでなく、自然も資本材であることに気づくべき時代に来たのだと思います。
みどりをないがしろにした都市は、どういうことを引き起こすのでしょう。みどりがどんどん減少し、コンクリートが増え、暑熱環境が増加した東京はどうなったか? この100年間で世界の平均気温が0.6度しか上がっていないにも関わらず、東京では3度も上昇しています。これは大変なことです。3度上がるということは、100年前の沖縄が東京に引っ越してきたようなものだからです。
そんな中、東急電鉄は、市民とともにみどりを大事にしていこう、そしてもう一度みどりを復元していこうという姿勢を打ち出しました。それが緑の苗木を配布する「東急グリーニングキャンペーン」につながっていったわけです。そして今、日本のみならず世界中で、再び自然とともにあるコミュニティづくりが求められています。
みどりとともに生きるということは、みなさんの健康にとっても大切です。人間の健康というのは非常に繊細で、自然とのつながりが断たれると、人間の脳の一部は縮んでいくと言われるほどです。我々は安定した生命圏、つまり自然の中で、時間も空間も満たされ、生き物たちのど真ん中にいると安心します。しかし、どうも最近の傾向としては、そのど真ん中ではなくて、便利さとか合理性というところに立ち位置がズレてしまっているようです。そうすると人間としてはものすごくストレスを感じますから、これを元に戻そうとします。この復元力となるのが花やみどりだと思います。
みなさんは花やみどりを植えているだけでなく、地域のつながりを取り戻そうとされている。これこそが財産だと、今日あらためて認識し感動しました。私の話以上に、みなさま方の行動の方がはるかに先を行っておられると感じました。みなさまにエールを送りたいと思います。(以上、要約)
16:40
先ほど活動報告を行った2012年度8団体の中で、最も票が多かった団体へ、表彰状と副賞が贈られました。
【受賞団体】大岡山さくらまつり実行委員会
【理由】活動のプロセスや、学校・商店街・地域コミュニティ・行政など活動の輪を広げ取り組んでいるという点で評価が高かった。
「大岡山さくらまつり実行委員会」
理事長の相川さん(左)と
まちなみ維持課の杉島さん(右)
[アワード受賞団体] 大岡山さくらまつり実行委員会 相川理事長より よろこびの言葉
「私たちは昨年の4月から大岡山北口商店街や近隣の学校の方々などとともに、大岡山駅前広場の花壇の手入れを行ってきましたが、実施するたびに、参加してくれる子どもたちや地域の方たちの数も増え、とてもやりがいのある活動となりました。
活動を始めて一年経ったこの春、駅前広場で芝桜が満開となりました。地域の方に大変喜んでいただけたのと同時に、この活動を通じて地域のつながりがより一層強くなったのを実感しています。そして今、次の一年もより良い活動にしていこうという意気込みが街の中にあふれ、私たちも大変うれしく思っております。これも東急のみなさまのご支援のおかげです。本当にありがとうございました。」
16:50
2013年度支援10団体も
紹介されました
17:00
東急電鉄 社長室 広報部 竹内統括部長より、4月から始まった「乗ってタッチ みど*リンク」についてご説明。
「東急電鉄では、『みど*リンク』アクションを推進する一方、今年2月に『乗ってタッチTOKYUポイント』を開始しました。これは、PASMOかSuicaで東急の電車やバスに乗っていただき、東急線沿線の商業施設にある専用端末にタッチすることで、TOKYUポイントが10ポイント貯まるというサービスです。東急線沿線にお住まいの方々に自家用車よりも環境に優しい電車やバスで出かけていただくことを目的としています。
さらに、これら2つを結びつけた『乗ってタッチ みど*リンク』というプログラムを今年4月に開始しました。専用端末にタッチすることで、お客さまにTOKYUポイントを10ポイント獲得していただくのと同時に、1タッチごとに5円を当社から『みど*リンク』の活動資金に拠出するというものです。
東急線沿線にお住まいの方々に、このプログラムを通じて、『みど*リンク』アクションへの参加意識を持っていただき、『みど*リンク』アクションが、地域により深く浸透し、広がっていってほしいと考えています。」
17:10
17:30
立食パーティ形式で会場も賑やかに。各団体の皆さまがコミュニケーションをとる貴重な時間となりました。
懇親会で親睦や意見交換
19:00