『みど*リンク』アクション

『みど*リンク』カンファレンスとは

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第6回『みど*リンク』カンファレンス レポート[2018]

2018年4月14日(土)、二子玉川ライズ・オフィス棟のイベント・会議スペース「カタリストBA」において、第6回『みど*リンク』カンファレンスが開催されました。

2017年度支援8グループによる活動報告のあと、東京農業大学教授・濱野周泰(はまの ちかやす)氏により、「コミュニティが生まれる住民参加型・緑化活動について」をテーマとした講演が行われました。

講演後には、2018年度支援8グループの紹介があり、続いて、活動報告を行った2017年度支援グループの中から『みど*リンク』アワードが選出・発表されました。今回受賞したのは、綱島駅近くにある河川事務所・綱島サブセンターで、地域の人や子どもたちと鶴見川流域の自然観察や生きものを守る活動をしている「地球っ子・綱島」の皆さんでした。

カンファレンス閉会後には、懇親会も開催。東急線沿線各地で活動する支援グループの皆さんがお互いに情報を交換し合う意義深いイベントとなりました。

【開催日時】2018年4月14日(土) 14:00~17:50
【会場】二子玉川ライズ オフィス棟8F カタリストBA

タイムスケジュール

14:00

開会 主催者挨拶

東急電鉄 都市創造本部 開発事業部 鈴置(すずおき)統括部長によって、第6回『みど*リンク』カンファレンスの開会が宣言されました。


開会の挨拶

14:05

2017年度グループ活動報告

2017年度の支援対象8グループが、1グループ5分ずつ、活動内容を報告。その発表を受け、各グループの代表者が最も優れた活動だと思われるグループに投票し、『みど*リンク』アワードを決めます。

富志美会

地域の人や商店街とともに都立大学駅前にある遊歩道の緑化を実施。たくさんの人から「遊歩道がよくなった」と評価をいただきました。遊歩道がキレイになることで、新たな地域イベントの実施や来客増加にもつながりました。

綱島西口商栄会

綱島西口商栄会では常々、放置自転車に悩んでおり、対策に花壇を並べていました。その花壇を新しくし、花を植え、子どもたちが描いたポスターを掲示。放置自転車がなくなり、防犯・防災面の向上にも貢献しました。

NPO法人せたがや水辺デザインネットワーク(現在「NPO法人砧・多摩川あそび村」)

二子玉川駅から多摩川上流へ20分ほど歩いたところにある原っぱで、子どもたちの遊び場を提供。台風で水に浸かった遊び場の復旧作業を、子どもたちや保護者と実施。多摩川源流の森の木材を使い、檜ベンチの修理などを行いました。

すすき野公園愛護会

あざみの駅から新百合ヶ丘方面に2キロほどの場所にあるすすき野公園。放置され雑草だらけになっていたエリアに花壇を作る取り組みを実施。横浜市立嶮山(けんざん)小学校の児童とともに、アジサイが中心の花壇を作りました。

プラパーズ

大田区千鳥小学校の正面玄関に花を植える、学校内の池をビオトープにする、学校の落ち葉を集めて堆肥化するという3つの取り組みを実施。児童にボランティア活動の楽しさを伝えるとともに、地域のコミュニティーも活性化しました。

江田駅周辺商店会

2015年の支援グループでもあった江田駅周辺商店会。殺風景だった江田駅周辺に花を植える活動を続けています。今回は、国道246号沿いのエリアに着手。江田駅東口の広場に新たに花壇を作ることができました。

地球っ子・綱島

綱島駅から南、鶴見川に架かる鉄橋近くにある河川事務所・綱島サブセンターで、子どもたちや保護者と一緒に鶴見川や生き物について学んでいます。外来種セイバンモロコシを駆除し、チョウがやってくるビオトープ作りを実施しました。

すすき野北自治会内 楓公園愛護会

たまプラーザ駅やあざみ野駅からバスで10分ほど、住宅街にある楓公園にて活動を実施。地域の人が集まって井戸端会議をしたり、子どもたちが思い切り遊んだりできる公園を目指し、シンボルとなる藤棚と花壇を作りました。

15:00~15:30

東京農業大学教授 濱野周泰(はまの ちかやす)氏による講演

テーマ「コミュニティが生まれる住民参加型・緑化活動について」

一般の市民というものは、潜在的に花や緑に大変興味があるものですが、花や緑に触れる場所や機会が減っているという実情があります。一方で、自治体は、いろいろな協力を市民に依頼してきます。そうした中で、最近よく話題になる市民と公共の協働活動というものが出てきます。

私が代表を務めさせていただいている「NPO法人 花と緑のまち三鷹創造協会」もそのひとつ。現在の三鷹市長である清原慶子氏は、地元で年代的にも近いことからよく知っている方だったのですが、平成15(2003)年に市長に初当選したときに、三鷹市をもっと花と緑にあふれるまちにしたいということで、私にお声がかかり、活動を牽引することになりました。

平成18(2006)年、市長の指導のもと、学識経験者、市民の代表、農協の代表、市民緑化推進委員会のメンバーなどとともに、緑のまちづくりを推進するための「緑と水のサポート組織設立検討会」が設置され、平成19(2007)年に、未来像などを含む提言がまとめられました。この提言をもとに、三鷹市とパートナーシップ協定を結び、平成21(2009)年に設立されたのが「NPO法人 花と緑のまち三鷹創造協会」です。

私たちの活動は、市民と三鷹市の橋渡し的なものです。三鷹市が整備をした3つの里(牟礼の里、大沢の里、丸池の里)の運営のほか、花壇作りや緑の管理、「花壇のボランティア」「緑ボランティア」の育成講座の開催など、いろいろやっています。

大きな仕事としては、平成22(2010)年に開催した「花と緑のフェスティバル」があります。これは東京の3区5市の区長市長が都市緑化の振興を目指し、持ち回りで開催するもので、このときには約1800人が集まり、過去最高の来場者数となりました。ステージ作りや運営でさまざまな工夫をこらしましたが、かかった費用は一般企業による見積もりの実に3分の1ほどです。いかに人の力、市民の力が結束すると、経費の削減になるかを実感しました。

また協会では毎年、応募庭園を表彰する「ガーデニングフェスタ」を実施しています。年々応募件数が増えており、昨年は140件に上りました。このイベントでは、イエローブックという冊子を作り、応募があった140件全ての写真とコメントを載せます。そのコメントをボランティアメンバーが書くのですが、これがまた大変で。毎年8月の頭頃、朝から晩まで協会の事務室や会議室に集まってみんなで一生懸命書いています。最近では、原稿を冊子に合わせる際に削る量が増えて困るほど、皆さんの発信力が高まりました。

「コミュニティー」という言葉は、同じ意志を持った者の集まりだという言い方をしています。「花と緑が好きだ」「子どもが好きだ」といった同じ視線を持つ、このことは念頭に置いておくべきだろうと思います。やはり主役は市民ですから、私たちは裏方、サービス業だと思って運営しています。

はじめは花と緑を理解してもらうことです。私たちでやっているボランティア講座をまずよく理解してもらい、そのことを背景に、市民同士のコミュニケーションを取ってもらうという流れがよいと思います。また私たちは、いろいろなイベントを開催していますが、イベントは意識のある人への誘いかけ(市民参加のきっかけ)となります。花と緑をきっかけに集まっていただくと、自然と市民同士のコミュニケーションが生まれるものです。

(ボランティアや団体などに参加してもらったあとも)市民同士がコミュニケーションを取りやすいように私たちが働きかけますが、コミュニケーションを良好に取り続けてもらうためには、次のことが大事です。活動にリーダーは必要ですが、自己顕示欲の強い方や、独裁的に物事を決める人は避けた方がいい。過去の失敗例を見るとやはりこれが原因として大きいですね。また、ボランティアは3年続けると去る人が出てくる「ボランティア3年」という言葉がありますが、これを避けるには、常に行動を評価すること、講習会などを実施して好奇心や知識欲を持続させるといったことが大変有効になってくるかと思います。

今日はこうした機会を与えていただき、ありがとうございました。私の話が皆さまの活動の何かのきっかけになれば幸いです。(以上、要約)

15:40~16:05

2018年度支援8グループ紹介

2018年度支援8グループが自己紹介しました。

16:05~16:10

東急電鉄の環境に関する取り組みについて

東急電鉄 社長室 サスティナビリティ推進部 環境課 田中主事から、「環境報告書」「こども環境報告書」を中心に、東急グループ各社による環境への取り組みについて説明

16:10~16:15

「乗ってタッチ みど*リンク」の取り組みについて

東急カード株式会社 営業部 内田係長が「乗ってタッチ みど*リンク」についてご説明

「東急電鉄では2012年から『みど*リンク』アクションをスタートさせました。これは地域の皆さんとともに緑をきっかけとしたまちづくり、コミュニティーづくりを応援する活動です。また、2013年4月1日からはモーダルシフト促進としまして、『乗ってタッチTOKYUポイント』をスタートしました。こちらは、商業施設に自家用車ではなく、電車やバスで来館していただくよう働きかけまして、CO2の削減や環境保全に寄与するという取り組みです。東急線または東急バスにPASMOやSuicaで乗っていただき、沿線の商業施設にある専用端末にタッチすると、TOKYUポイントを差し上げるという仕組みになっております。

さて『乗ってタッチ みど*リンク』ですが、こちらは『乗ってタッチTOKYUポイント』と、『みど*リンク』アクションを連動させたシステムで、(PASMOやSuicaで専用端末にタッチしていただくと)お客さまにはTOKYUポイントが貯まり、東急電鉄は『みど*リンク』アクションに5円を拠出する仕組みとなっております。

2017年度は約165万タッチ、約820万円を拠出することができました。2016年度が約150万タッチ、約750万円ですので、およそ10%増となり、年々賛同いただく方が増えております。今後とも沿線の皆さまと一緒になって緑化促進を進めてまいりますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。」

→「乗ってタッチ みど*リンク」

16:15

2017年度『みど*リンク』アワード発表

東急電鉄 都市創造本部 開発事業部 高秀事業部長より、活動を報告した2017年度支援8グループの中で、得票数が最も多かったグループに、表彰状と副賞が贈られました。

【アワード受賞グループ】地球っ子・綱島
【理由】どのグループも花や緑の活動を通じてコミュ二ティーが豊かになるという“一石二鳥”の取り組みではありましたが、そこに「外来種の駆除」という要素が加わった“一石三鳥”の取り組みであったことが、多くのグループに支持されました。

地球っ子・綱島 代表・佐藤様、亀田様より喜びの言葉

「こんな立派な賞をいただいて、東急さんにはとても感謝しております。子どもたちもとても喜ぶと思います。これからもいただいた支援で、これまで以上に活動を頑張っていきたいと思います。」(佐藤様)

「若い子たちがこうやって育ってきているのですが、今回支援いただいたことで、また若い人たちがさらに頑張ろうというきっかけになって、とても嬉しいです。ありがとうございました。」(亀田様)


「地球っ子・綱島」
亀田様(左) 佐藤様(右)

16:20

記念撮影

16:20~16:23

閉 会

16:30~

懇親会

立食パーティー形式の懇親会が開催されました。各グループの皆さんが食事を楽しみながら、情報交換や交流を深めました。参加者にカンファレンスの感想を聞くと、「さまざまな活動を知ることができて参考になった」というコメントが多数。グループ間で意気投合し、一緒に活動をする約束をするグループが出てくるなど、大いに盛り上がる懇親会となりました。