『みど*リンク』アクション

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第2回『みど*リンク』カンファレンス レポート[2014]

2014年4月13日、二子玉川ライズ・オフィス棟の会議スペース「カタリストBA」において、『みど*リンク』アクションの支援グループが一堂に会する「第2回『みど*リンク』カンファレンス」が開催されました。

当日は、2013年度支援10グループによる活動報告に続いて、東京大学名誉教授・月尾嘉男(つきお よしお)先生から「地域から挑戦する環境問題」をテーマにご講演いただき、参加者一同、地域緑化活動への意欲をさらに高めることができました。

支援グループ代表者の投票によって決定する2013年度『みど*リンク』アワードでは、水質浄化装置(植栽いかだ)の設置などをとおして洗足池の環境美化に取り組む「大田区立大森第六中学校」が受賞。2014年度支援グループの紹介のあとは、懇親会も催され、参加者のみなさんのつながりを深める貴重な時間となりました。

【開催日時】 2014年4月13日(日) 14:00~18:30
【会  場】 二子玉川ライズ オフィス棟8F カタリストBA

タイムスケジュール

14:00

開会 主催者挨拶

東急電鉄 都市開発事業本部 都市戦略事業部 企画開発部 東浦統括部長による挨拶で、『みど*リンク』カンファレンスが開会となりました。


開会のあいさつ

14:05

2013年度10グループ活動実施報告

2013年度の活動した10グループが、1グループにつき5分ずつ、活動内容を発表しました。この後、活動のプロセス、手法、技法等が最も優れていたと思うグループに投票し、『みど*リンク』アワードを1グループ決めます(投票は自グループを除く)。


各支援グループ代表者による活動報告

15:20

東京大学名誉教授 月尾先生による講演

テーマ 「地域から挑戦する環境問題」

一万年前の地球には500万人ぐらいしか人間がいなかったと推定されていますが、現在はその千倍に増えました。それにともない、人間が使う資源やエネルギーも10万倍に増えています。環境問題の原因を簡単に説明すると、これだけのことです。人口が増え、その人間が資源やエネルギーを使いすぎるということです。


月尾嘉男先生による講演

地球は限界に到達しており、私たちは方向転換しなければならない状況に直面しています。
そのような中で、みなさまの活動に関係するのが「アダプト・プログラム」です。アダプト(adopt)というのは「養子にする」という意味。例えば、国道は国が建設も維持もしていますが、最近はその沿道に住む方々が自分たちの道路として面倒を見る例が増えています。国が産んだ国道という子どもを地域の人々が養子にするのです。みなさんの活動もアダプト・プログラムの一環です。河川敷を清掃するとか、道路際の花壇を管理する団体は、日本に3万団体以上あります。

そこでご紹介したいのが新しい視点です。ナバホ族というアメリカ先住民族は、「現在の環境は未来から預かっているものだから勝手に改造しない」という考え方を持っています。イロコイ族も「ものごとを始めようとしたら、7世代先の子孫への影響を考えて決める」と言っています。およそ200年先のことを考えて決めようということです。

こういう伝統的な考え方を背景に注目されているのが「バックキャスト」という手法です。釣りをするときに遠くに針を投げようとすると、竿をまず後ろに引いてから前に投げます。この後ろに投げることをバックキャスト、前に投げることをフォアキャストといいます。このフォアキャストが転じて「予測」という意味になったのですが、その予測(フォアキャスト)は、現在の位置から未来を考えます。しかし、バックキャストでは、未来はどうなったらいいかをまず検討し、現在へ戻ってくる考え方です。仮に50年先のことを考えるとすると、30年先にはどういう状態になっていたらいいのか、10年先ならどういう状態であるべきかを考える。つまり100年先、200年先の未来を予測してから、現在へバックキャストし、何をやればいいのかを考えるわけです。それがようやく実を結び始めているのが地球温暖化を防ぐ対策です。

現在の地球の人口は、1960年代の2.7倍に増えていますが、穀物生産は3.5倍になっています。一人当たりの穀物量は1.3倍に増えているのですが、栄養が十分でない人の数も増えている。その理由は配分に矛盾があるからです。世界には10億人の栄養不足の人がいますが、その一方で栄養をとりすぎて困っている人が12億人もいるのです。

私たちは改めて心に刻むべき言葉があります。「吾唯足知」(われただたるをしる)という言葉です。上を見るときりがありません。あるところで満足する精神を持つことが、環境問題を解決する最も重要なことだと思います。みなさまもそういう精神で活動を続けていただければと思います。どうもありがとうございました。(以上、要約)

16:15

2013年度『みど*リンク』アワード発表

先ほど活動報告を行った2013年度10グループの中で、最も票が多かったグループへ、表彰状と副賞が贈られました。

【受賞グループ】大田区立大森第六中学校
【理由】池の水をきれいにしてホタルの復活に取り組む活動を、中学校の生徒たちが中心となって地域と連携して行っている点が評価された。


「大田区立大森第六中学校」
齋藤先生(左)
税所校長先生(中央)
柴崎先生(右)

[アワード受賞グループ]大田区立大森第六中学校校長 税所 要章(さいしょ かなあき)様 より よろこびの言葉

「本校では、生徒参加のボランティア団体を中心に、洗足池公園の清掃や、池の水をきれいにするための環境美化活動を続けています。活動をしていると、地域の人から『ゴミが減ったね』『キレイになったね』と声をかけられます。すると生徒たちの、『自分は役に立っているんだ』という自己肯定感が高まります。これが大切です。こういった経験の積み重ねが、人を思いやる心や地域を愛する心、社会のことを考える大きな力となるのです。

実際、環境美化活動を始めたあと、生徒会活動が活発になり、生徒間のトラブルも減りました。また学力の向上にもつながっています。文部科学省が毎年行う全国学力・学習状況調査でも、本校の生徒は、人を思いやり社会のことを考える能力がとても高いという結果が出ています。

これからも生徒たちと地域とのつながり大切にしながら、環境美化活動を続けていきたいと思います。受賞のことは、明日の朝礼でさっそく生徒たちに伝えたいと思います。本日は誠にありがとうございました。」

16:20

記念撮影

16:25

2014年度活動支援 17グループ紹介


2014年度支援17グループも、
紹介されました

16:45

「荏子田太陽公園」の取り組み紹介

横浜市内に2,621か所、青葉区内に230か所の公園の中から、14年間の公園の愛護活動に尽力され地域に親しまれる公園づくりに貢献し、横浜市から表彰されました。
→https://ja-jp.facebook.com/JoyofRoses

16:50

「乗ってタッチ みど*リンク」について

東急電鉄 CSR推進室 CS・環境部 椿統括部長より、「乗ってタッチ みど*リンク」についてご説明。

「東急電鉄では、2013年2月1日から『乗ってタッチTOKYUポイント』を開始しました。これは、TOP&カード会員様がPASMOやSuicaで東急線や東急バスに乗っていただき、同日中に商業施設にある専用端末にタッチしていただくことでTOKYUポイントを10ポイント差し上げるというものです。環境負荷の高い自家用車から、環境に優しい鉄道・バスに変えていただくモーダルシフト促進策のひとつとして提案しております。

この『乗ってタッチTOKYUポイント』と、東急沿線で緑化活動をするグループのみなさまを支援する『みど*リンク』アクションをリンクさせたのが『乗ってタッチみど*リンク』です。

東急線や東急バスを利用したお客さまが『乗ってタッチTOKYUポイント』の専用端末にタッチした際、お客さまにはTOKYUポイントを10ポイント差し上げる一方、東急電鉄が『みど*リンク』アクションの活動資金に5円を拠出するものです。お客さまのタッチが増えれば増えるほど、沿線の緑化が進むという仕組みになっております。

東急電鉄では、今後もこのような仕組みづくりをより一層進めていくとともに、『みど*リンク』アクションがより深く地域に浸透するよう尽力してまいります。」

17:20

懇親会

立食パーティー形式で、各グループの皆さま同士が、ざっくばらんにさまざまなお話をされていました。


懇親会では意見交換などで
親睦を深めました

18:30

閉 会